2014年04月29日

上地区の史跡めぐり

主催:秦野市立上公民館 協力:まほち秦野みちしるべの会

上地区の史跡めぐり  2014年3月25日

オリエンテーション(9:00〜9:30)
 『道祖神の形態』武勝美(まほら秦野みちしるべの会)
コース:上公民館(9:30)→小原地蔵堂 →長屋門 →頼朝塚 →三廻部用水 →三廻部自治会館(昼食)
→観音院(13:00〜18:30)→住吉神社 →金刀比羅宮石祠 →道祖神 →上公民館(15:00)

@小原地蔵堂(菖蒲1782)
・庚申塔 文政11(1828)年 道標
・双体道祖神 寛保3(1743)年
・出羽三山供養塔 弘化2(1845)年
・馬頭観音など
A馬頭観音 昭和6(1981)年(三廻部43-1)
B庚申塔 元禄6(1698)年(三廻部187)
C頼朝塚(三廻部442)
・頼朝供養塔 村人が築いたとされ、頼朝の没年と戒名が記されている。
・道祖神 享保7(1722)年 舟型
  縦に分断され右半分だけ残っている。このような例はあまりない。
D三堀部用水
 室町時代初期のものとされる。四十八瀬川から引かれ、昭和30年に簡
 易水道が整備されるまで、農業用水、生活用水として使用された。
E三廻部自治会館(三廻部669)昼食
F観音院(三廻部653)孫彿山福聚寺 天台宗
 戦国時代に金沢というところで金銀砂が見つかり、一時鉱夫などが大勢集まり、
 寺も移されたが、その後、元の地に戻ったという。
 曽我兄弟が工藤佑経を討つため、柳川の不動院に奉納した願文が保管されている。
G住吉神社(三廻部739)村の鎮守
 標高850mの高台にある。戦前、神社前の坂は「住吉坂」といい、三廻部と寄を結ぶ重要な道だった。
H柳川金刀比羅宮石祠(柳川753)ゴルフ場造成により移動
 社号塔 天保6(1835)年
I道祖神 舟型双体像 安永6(1777)年(柳川1140路傍)
 
posted by まほら秦野 at 15:42| 大山道を歩く コース編 上地区

2012年08月18日

上地区を歩く

「道」〜上地区探訪記
                         浦田江里子


 例年なら梅も満開の頃だろう。山々はしっとりと冷気に覆われ、里の景色は白っぽく霞んで見えた。遅い春を待つある日、小宮茂平治さんの案内で上地区を歩いた。

 秦野市の西端に位置する上地区は、江戸時代は小田原藩、明治時代は足柄上郡に属し、秦野市でありながら、文化や地域性はその独自のルーツに由来している。
 国道246号から山側、四十八瀬川より西側に区切られた地区は、ちょうど中間地点あたりに、かつての役場や診療所の建物が残る。村の中心から三廻部、柳川、八沢、菖蒲各地区へ伸びる道があり、これらはほぼ昔の道を踏襲した道(舗装されているが)という点で、とても稀少である。
 70歳を超えた小宮さんが、子どもの頃、お使いに走り、神輿を担ぎ、月明かりに夜道を帰った同じ道筋だという。道は、松田への生活道〜弥勒寺道(寄往還)へ、塔ノ岳への信仰の道〜尊仏道へも続いている。
 辻には昔の姿のまま、道祖神が村を見守っている。竹の柱、杉の葉葺きの屋根の小さな小屋に住む道祖神である。その竹は青く、杉の葉は深緑。ずっと昔から、一年一度,祭りの時期に小屋は作りかえられる。
 焼失した寺跡の不動院には、小さなお堂に50センチほどの白体不動尊がある。風雨に耐えたお堂の縁台は朽ちて傾き、建物はたいそう古びてはいるが、それでも荒れ果てず、明るい参道と静かな境内に心安らぐのは、由緒あるこのお堂を大切に守り続ける人たちがいるためだ。この日も、数人の人が草むしりに精を出していた。「誰かに言われたわけでもない。村の神さまを守るのは今も昔もここに暮らす人にとって当たり前のことなのです」。朴訥で、まじめで、地道な、人々の心持ち。

 「住吉さん」(住吉神社)への急な坂道を登り、振り返ると、山に囲まれた秦野盆地がちょうどいい高さから見渡せる。標高350メートル。峠の道から突然拓けたこの場所で、通りがかる人は何を思ったろうか。道の先に人々の営みを遠望し、眼下に辿る道を見る。感慨と安心感を生むのは今も昔も特別なことではないだろう。

 一軒の家の脇に私道かと思える道がある。「この道は三廻部への本通り。今も公道です」と小宮さん。逆コースを歩いてみると様子がわかる。確かに三廻部から村の中心部へ向かう最短の道筋である。多くの家は立派な家に建て替えられているが、生活に根ざした道は残り、そのまま使われている。

 上地区を横切るように、数年後に第二東名が走る。土台だけ残された家の残骸が新たな道筋を作っている。この坂道も、あの雑木林も、今、ここにあるもの全てが作り出す空気もなくなってしまうのだろうか。変わりゆくこの地に、かろうじてお不動さんは住み慣れた場所にとどまるという。

posted by まほら秦野 at 07:41| 大山道を歩く コース編 上地区